宅録ビートルズ・2周目 – PLEASE PLEASE ME総括
2010年8月1日に着手して2010年9月4日に完成。
日数計算上は35日だが宅録日記ナンバーは001~022なので、録音に要した日数は22日ということになる。
2015年8月、動画製作のついでに6日間リミックス作業(一部パートの再録音を含む)をした。
仕上がったので、振り返り。
オーバーラン
2013年。宅録ビートルズ2周目の10枚目のアルバムTHE BEATLES (通称・ホワイトアルバム)から動画のコンテンツを本格的に作り始めた。音だけで完結させていたそれまでと比べると1曲に対する作業量は増えたが、できあがったものに対する自己満足度は比べ物にならなかった。映像の力はすごい。
アウトプットが音から映像になったことで、これまで自分のサイトだけでこじんまりと公開してきたコンテンツの主戦場は大規模な動画共有サイトに移行することになった。
最初のうちは自分のサイトと同じく、アップロードしたものに対してリアクションをもらえることなんてほとんどなかったが、1年ほど経過した頃からジワジワと再生回数が増え始めた。しかも動画を見てくれているのは日本人だけじゃない。アメリカ、メキシコ、フィリピン、アルゼンチン、ブラジル、チリ、イタリア、ドイツ、ペルー、イギリス、スペイン、カナダ、フランス、韓国、オランダ、インドネシア、ロシア、コロンビア、プエルトリコ、オーストラリア、タイ、香港、ポーランド、コスタリカ…ほんとに世界中の人が見てくれてる。コメントも外国語でもらうことの方が圧倒的に多くなった。
世界デビュー…ってほどでもないけど、でも自分のサイトだけでやっていたら到底無理な話だ。
さすが世界のYouTube。
さすが世界のビートルズ。
視聴者がいてくれることがわかると俄然やる気が出てくる。
よし。動画も全曲やってみようじゃないか!
そんなわけで、1枚目のアルバムPLEASE PLEASE MEに戻って動画を作ることにした。
せっかくデータを掘り起こすんだからリミックスしよう、とか。
聴き直して気に入らないパートは再録音しよう、とか。
5年前の音源は今聴いてもさほど酷いとは思わないし普通に聴けるんだけど、少しでもクオリティ上げてかないと。
そしてこのアルバムの動画をせっせとアップしていた2015年8月、YouTubeのチャンネル登録者数がとうとう1,000人を超えた。
この1ヶ月の試聴回数は全動画でおよそ50,000回、再生時間が77,000分。
単純な割り算だと1日あたり1,600回、2,500分以上見てもらっているということになる。
グレッチ大活躍
このアルバムを録音していた当時、ジョージ・ハリスンはグレッチのギターを弾いていた。シングルコイルタイプのダイナソニック・ピックアップが搭載されたDuo Jet。でも2周目の録音を始めた2010年の時点で僕はそんなものは持ってなかったので、彼のパートはCASINOで弾いてアンプシミュレーター等を使ってなんとなくそれっぽい音にしていた。まぁそれなりにそれっぽかった。
2015年。SINGLE COLLECTIONの製作中にグレッチのTennessee Roseを手に入れて、ああやっぱグレッチの音はグレッチじゃないと出せないんだなぁってことを思い知った。動画制作のために2010年に録音したこのアルバムのデータを引っ張りだしてリミックスしようと決めた時、ジョージのパートは全部グレッチで置き換えねばと思ったのは必然といえば必然だった。
僕のTennessee Roseのピックアップはハイロートロン。ダイナソニック同じシングルコイルタイプではあるがDuo Jetまんまじゃない。まんまじゃないけど、カジノで代用するよりは近い音になった。と思う。
リッケンバッカーの12弦を多用した3枚目のA HARD DAY’S NIGHTを除いて、5枚目のHELP !までグレッチの登場頻度は高い。まだしばらく最前線で活躍してくれそうだ。
まぁそれだけ再録音せねばならないということなんだけどね…。
同じ服装で
シングルの寄せ集めのSINGLE COLLECTIONは別にして、これまで作ってきたアルバムではアルバムごとにテロップのフォントを統一していた。こうすることでアルバムとして一貫性がなんとなく表現できるんじゃないかと考えたからだ。
で、このPLEASE PLEASE MEではフォントだけじゃなくて衣装も同じものにしてみた。
このアルバムは1日で録音されたんだそうで、同じ服で通そうと思ったのはもともとはその「1日仕事」の演出を考えてのことだった。
選んだのは彼らがレコードジャケットで着ていたのと同じようなピンクのシャツ。このピンク色のシャツは確か20代の頃に買ったもので、でもさすがにこの歳になると着る勇気がないんだけど、今回は顔出ししないからそんなにイタくないかも、と思って。これに濃い色のネクタイと、たまに黒ジャケット羽織ってみたり。
デビュー間もない頃の彼らの初々しさがちょっとは出たかしら?いや、さすがにそれはないか…(笑)。
新たな発見
今回の製作過程で気が付いたこと一覧。
僕なりの解釈なので、違うところはあるかもしれないけど。
- I Saw Her Standing Thereのリードギターは間奏だけやけに高音域のリバーブが深い。つっかかり気味で弾いてたジョージのサスティーンの短さを誤魔化すため?
- Miseryのリズムギターはのっぺりしてない。それなりにアクセントがついてる。
- Annaのアルペジオ風のギターで常にD音がトップで鳴っているが音量は控えめ。あまり強くピッキングしてない。
- Annaのドラムフィルは限りなくロールに近い。
- Chansのサブドミナントコード(Eb)は基本フォームが9thでそこからM3を引っ掛けてる。指が短いと運指がキツい。
- Boysのリードギターの間奏はチョーキングよりもハンマリングを多用している。
- Boysはフェードアウト部分でリードギターがそれまでの定型からちょっと外れたフレーズを弾いてる。
- Ask Me Whyのリフは3拍目の裏もわずかに音が出てる。
- Please Please Meのリードギター。これほど有名な曲なのにシンコーのスコアは全くアテにならない。テーマはスコアでは単音だけど実際にはオクターブ奏法だし、Aメロでの旋律をなぞるフレーズは全くか書かれていない。
- Please Please Me最終バースへのブリッジでリードギターがハーモニカの旋律から外れてる。ミストーンか意図的かは不明。
- Love Me Doのギターは1本みたい。ジョンはハーモニカに専念してるのかな。
- P.S. I Love YouのギターはJ-160Eのピックアップを通した音だと思う。
- Baby It’s Youのリードギターは間奏以外はアクセント付けのカッティング主体だが2バース目のC→Gへのブリッジで半音上昇フレーズを入れている。
- Do You Want To Know A Secretにはスティックだかリムショットだかがオーバーダビングされてる。
- A Taste Of Honeyのギターアルペジオは2本の掛け合い。
- There’s A Placeのリードギター。リフはオクターブ奏法、バッキングでたまに単音ブリッジを入れてる。定型化されてるのでアドリブではなく練ったものだと思う。
- Twist And Shoutのイントロのドラム。シンコーのスコアだとスネアだけのパターンだけど普通にハイハットも入ってると思う。
さて、お次は・・・
WITH THE BEATLESのリミックスと動画作り。