BEATLES FOR SALE – THE BEATLES

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Side A

  1. No Reply
  2. I’m A Loser
  3. Baby’s In Black
  4. Rock And Roll Music
  5. I’ll Follow The Sun
  6. Mr. Moonlight
  7. Kansas City ~ Hey, Hey, Hey, Hey

Side B

  1. Eight Days A Week
  2. Words Of Love
  3. Honey Don’t
  4. Every Little Thing
  5. I Don’t Want To Spoil The Party パーティーはそのままに
  6. What You’re Doing
  7. Everybody’s Trying To Be My Baby みんないい娘

宅録総括&全曲連続再生


 

納期ギリギリで製作されたアルバム

1964年12月4日にリリースされたビートルズ4作目のオリジナルアルバム。
このジャケットの4人の顔は暗く、内容も重かった。オリジナルの8曲は陽気な「ア・ハード・デイズ・ナイト」に比べるとみんなどこか不機嫌だった。「ベイビーズ・イン・ブラック」や、ボブ・ディランの影響を受けた「アイム・ア・ルーザー」には厭世観が漂う。ディランとの出会いは特に作詞の面でジョン・レノンに大きな影響を与え、以降彼は自叙的な曲を作ることに興味を示し始める。

ビートルズはEMIと「年に2枚アルバムを出す」という契約をしていた。これを守るべく、相変わらず忙しく続いていたツアーの合間をぬってレコーディング・セッションが組まれた。9月29日からの3週間で大半を完了させ、10月18日に録音終了。その後編集作業やミキシングを11月4日まで続け、その1ヵ月後に発売…クリスマス商戦に向けた急ピッチな作業であった。レノン=マッカートニーの最強タッグをもってしても多忙を極めたスケジュールをこなしながらクリスマスに間に合うタイミングで自分たちの新曲だけでアルバムを作ることは不可能で、全14曲中6曲をカバーに頼らざるを得なかった。一方オリジナルは8曲。クレジットでは「レノン=マッカートニー」となっているが、このアルバムあたりからジョン・レノンとポール・マッカートニーはそれぞれ別々に曲作りするようになる。それぞれが作ってお互いに相手に聞かせ、協同作業といえばその時に感想を述べる程度。
作曲に「個性」が現れ始めた。

ジャケットの撮影地はロンドン・ハイドパーク。笑わずに疲れ切った表情である。ポールは「短いセッションでかなり良いカバーを作った」と回想している。
 

アコースティックな心地よさ

時間が無い中で作られたアルバムというだけあって、アレンジは実にシンプル。
でも「雑」っていう感じじゃない。逆に繊細な印象がある。

多分「アコースティックギター」のせいだ。

アルバムの14曲中、アンプを通さないアコースティックギターをリズムトラックに使ったのはなんと10曲。紅葉をバックに撮影されたジャケットのせいもあって、なんというか、このアルバムは「アコースティックなアルバム」という印象なのだ。

これまでエレキとハデなオープンハイハットでジャカジャカやってたバンドが見せた全く別の面。バックビートのフックは弱いけれども新鮮ではあったし、全然アリだと思った。むしろ心地よかった。ジョージのグレッチの音やフレーズもこの雰囲気にちゃんとマッチしてて、アルバム全編を通してこの雰囲気は維持され続けてる。「ロックン・ロール・ミュージック」で一瞬道を踏み外しかけるが、「アイル・フォロー・ザ・サン」がちゃんと修正をかける。

静かだ。そしてちょっと影がある。
元気で賑やかな前作「ア・ハード・デイズ・ナイト」とは間逆なこのアルバム。

うん、これはこれでいいじゃないか。

ただ「ミスター・ムーンライト」はイマイチ。
デビュー前のアップテンポの演奏のほうが好きなんだけど。
でもこのアルバムの雰囲気には合わないかもね。
 


更新履歴:

2016.01.12 リミックス&動画化終了 (version 2.1)
2015.11.26 動画製作のついでにversion 2のリミックス・再録開始 (version 2.1)
2011.03.23 version 2.0録音終了→HP掲載
2011.02.01 version 2.0録音開始
2005.11.03 I Don’t Want To Spoil The Partyを2ndテイクに差し替え
2005.07.24 Rock And Roll MusicをRemix版に差し替え
2002.10.08 録音終了→CD作成
2002.08.24 録音開始


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