Tug Of War – Paul McCartney

2021/10/08eXtra

それは綱引き
あるものと
別のものとの
綱引きだ
僕らはもっと期待していた
でもお互いにただ
相手を打ち負かすことしか考えなかった
そんな綱引き

別の世界では
僕らは共に山の頂に立って
それぞれの旗を掲げられたはずだった
そして時が満ちれば
異なる太鼓が鳴らすビートに合わせて
僕らは踊れるようになるはずさ

それは綱引き
不満を言ってもどうにもならないけど
ただの綱引きなんだ
でも手を放すことはできない
そんなことをすれば君らはその場で倒れ
なにもかもが滅茶苦茶になってしまう
それが綱引きなんだ

いつの日にか
みんなは気付くだろう
僕らが呼吸する空気や
僕らが過ごす人生に
どんな意味があるのかを
でもそれじゃ遅い
遅すぎるんだ
もう遅い
僕にとっては遅すぎる

別の世界では
僕らは共に山の頂に立って
それぞれの旗を掲げられるはずだった
そして時が来れば
異なる太鼓が鳴らすビートに合わせて
僕らは踊れるようになるはずさ
全く違う太鼓に合わせて
踊れるようになるんだ
太鼓が違っていても
踊れるようになる

それは綱引き
あるものと
別のものとの
綱引きだ
もっと良くなると思ったのに
僕たちはお互いに
相手を負かすことに没頭してた
綱引きをしながら

ポール・マッカートニーのアルバム「タッグ・オブ・ウォー」のタイトル曲。

「タッグ・オブ・ウォー」とは綱引きのこと。アルバム版の冒頭にはヨークシャーのハダースフィールドで行われた綱引き大会の決勝の時の実際の音声が加えられ、アウトロは次曲の「テイク・イット・アウェイ」にオーバーラップしている。後にリリースされたシングル版ではこれらは無い。

人生を綱引きに例え「僕等はお互いを負かしてやろうと思っていたけど、手を離せば全てが滅茶苦茶になってしまう。でも、来るべき時代には、僕等はそれぞれ違ったドラムが打ち出すビートにのって踊っているだろう」と、現状に対する不安と将来への希望を歌う。米誌「ローリング・ストーン」はこの曲を「ポールにとっての（ジョン・レノンの）イマジン」と評した。