ドック入り:Hofner 500/1 Vintage 62
購入して約10年になるHofner 500/1 Vintage 62。さすがにあちこちくたびれた感じになってきたので、ショップにメンテナンスに出すことにした。
特に何とかしたいのがめっき部品のくもりとさび。音は出るので電気系統まで侵食はしていないのだが、見た目かなり残念なのだ。
しかしなにせ特殊な楽器なので、できればビートルズ系に強いショップにお願いしたい…と思い、安直に「ギターショップ ビートルズ」でググってみた。ヒットしたのは
一番近いのは…KEITH。
ネット上でちょくちょく名前は見かけたことがあったのだが、どんな店なのかはよく知らない。HP見ると結構込みいった改造も手がけているようだ。うん、ここはいいかもしれない。
まずはJ-Guitarのショップのページからフォームメールで現状についての説明。ほどなく返事が帰ってきた。
部品劣化のメカニズムを細かく解説してくださった。慣れた感じだ。好印象だったのでここにお願いすることにした。
浜松から車で2時間弱。ナビには載っていかなったので住所を頼りにiphoneのマップ経路検索でショップへ。
細い路地を抜けていくと田園風景の真ん中にポツンと建ってる。
看板に"Country Cafe"とある通り、ランチタイムとディナータイムはカフェテリアの営業。楽器の話はその合間…14:00〜17:00ということになっているようだ。完全予約制なので訪問前にはアポイントメントを取る必要がある。
「楽器屋」というより「工房」だ。
これはいい。
店に入るとショーウィンドウ内にHofnerのWorld HistoryとなんとFuturamaのギター(ジョージ・ハリスンがキャバーン時代に引いていたギターの類似モデル)が飾ってある。工房に入ると壁にマニアックな楽器が吊るされてる。楽器店と違って数は決して多くないのだが、いかにも工房の作品という感じだ。
これはいい。
で、その工房で店長の加藤さんに楽器を見ていただいた上でメンテナンスのメニューを決めた。
- ピックアップx2、テールピース、ステイの再めっき
銀色の金属部品。
Vintageはクロームめっきが施してあるのだがリイシューモデルであるV62、V63、World Historyなどはここがニッケルめっき。ニッケルは最初は綺麗なのだが耐候性が弱く経時ですぐにくもってくる。更に悪いことにHofnerはピックガードとコンパネの樹脂部品に使われているセルロイドから発生するガスが原因でこの部分が酷くさびてしまうのだ。なので、保管する時はガスがたまらないようにケースに入れない、樹脂部品にフィルムを貼る、ピックガードを外してしまう等々しておいた方が良いらしい。
今回はこれらの部品にクロームめっきを施してもらうことにした。
お値段は
ピックアップ¥8,000 x2 + テールピース¥10,000 + ステイ¥2,000 – 値引き¥3,000
= ¥25,000 - ティーカップ・ノブ交換
コンパネに付いている2つのノブ。この天面は購入当初はピカピカの金色だったのだがこれがあっという間に曇ってしまった。この部品は真鍮を磨いただけものでめっきやコーティングは一切されていなのだそうだ。言われてみればたしかにそんな曇り方だ。
真鍮めっきか金メッキしてもらうこともできるのだがちょっとお高いものになるのでここは部品の交換だけでお茶を濁すことにした。
お値段 = ¥2,400 - ネック調整
ちょっと順反りしてる。まぁ僕はあまり楽器の細かいコンディションは気にしない方なので致命的に弾きにくいというわけでもないのだが、せっかくなので調整してもらうことにした。
お値段 = ¥3,000 - 弦交換
ラベラの弦が置いてあったのでついでに購入。東京で買うよりちょっと高い。
お値段 = ¥6,800 - フレット磨き
今回はサービスでやってくださるということだったのでお言葉に甘えさせてもらった。
あとHofnerにありがちな症状として「ネック折れ」があるんだそうだ。
文字通りネックがジョイント(接着)部からポッキリ折れてしまう症状で、僕のHofnerもジョイント部の塗装表面が白化しているのでこれが進行してしまうとそのうちネックのジョイント部が開いてきて、しまいには折れて(接着が外れて)しまう…かもしれない。
しかしまぁ一応10年持ちこたえてるから大丈夫なのかもしれない。
対策としてはこの部分にボルトを打ち込むという処置をする。もちろん外からはわからないように。
この作業は今回パスした。症状が出始めたらその時にお願いすることにしよう。
メンテの依頼を終えた後、カフェテリア内でコーヒーと柚子シャーベットをいただきながらしばしビートルズや音楽や楽器のお話をさせていただいて。
楽しかったです。
仕上がりは約2ヶ月後だそうで。しばらくお別れだけど。
どんな姿になって帰ってくるのか楽しみ。