
大惨事
あと1曲。If I Needed Someoneのスコア用のマイム動画の撮影が終われば、いよいよRickenbackerの12弦を手放すことができる。ビートルズの宅録以外には全く用途のないギター。生産数量は相変わらず少ないみたいだからいい値段で買取してもらえるかなー…なんて思いながらケースを開けてみたら。
…なにこれ…???
テールピースが割れてるじゃないか。
弦は切れてはいないんだがケースの中でぐちゃぐちゃになってる。
大惨事だ。
このテールピースは鋳造品。プレス品に比べれば強度は落ちるんだろうけど弦の張力ごときでこんな壊れ方するとかありえないっしょ。巣があったんだろうか。もともとデザイン重視しすぎで昨日ガン無視の部品だったけど強度もこの有様とは…やっぱリッケンバッカーはダメだ。弦交換がしにくい特殊すぎるテールピース持ちの325も360/12も、テンションを緩めて保管していてもテールピースが浮き上がる4001C64もそうだったけど、楽器としては欠陥品である。
部品探し
今回はテールピースが割れてるだけで他は損傷がないのでこれだけ交換すればいい。でもこの部品って手に入るの?手に入ったところで同じ問題抱えてるだろうし。どうなんだろう…。
地元の楽器店・ソニックスに「部品手に入りませんか?」と問い合わせのメール。
並行してネットでも探してみた。
そのものズバリが掲載されているサイトをいくつか見つけたが、ごれもこれも怪しげなサイトばかりで手を出せない。と、デザインは全然違うんだけど機能的には互換性がありそうなものをebayで見つけた。価格は7,000円くらい。送料込みでも10,000円くらい。この値段ならまぁいいかと思い即発注。
ebay…存在は知っていたけど使うのは初めてだ。老舗なので信頼はしてるけど、初めてなのでちょっと心配。詐欺なんじゃないかとかそういうことじゃなくて、いつ届くのか全然わからない感じなので。でもまぁ待つしかない。
ソニックスから返事が来ないな…と思っていたら迷惑メールに落ちてた。
「代理店の山野楽器で部品の入手は可能。ただし正規品であることの証明のために保証書の提示が必要。交換前の部品は引き取り。部品手配に要する時間と費用は不明だが時間も費用も掛かりそう」とのお返事。
ここまで慎重になるのはコピーモデルに正規部品が使われないようにするためらしい。まぁこちらはこちらで後日持ち込んで相談することにしよう。
地球の裏側から
手配した翌日10/28に早速発送連絡が届いた。輸送はFedExで追跡番号までついてる。
どれどれと思って調べてみると発送元に見覚えのない地名が…。
“LOMAS DEL MIRADOR”
…どこじゃらほい?調べてみたら…「ブエノスアイレス」。南米じゃないですか。
その後日ごとに場所が更新されていくんだけど、
エセイサ(アルゼンチン)→プダウエル(チリ)→キト(エクアドル)…と南米大陸を徘徊してる。
これ空路?直行便はないのかな?それにしてもなんでこんなルートなんだろう…まさか陸路?
全然状況が掴めない。
キトの次が「メンフィス(米テネシー)」
おお!北米に移動した!ここからはさすがに直行で…と思っていたら翌日に
アンカレッジ(米アラスカ)
はい?アラスカ?
この先アリューシャン列島からカムチャッカ半島を経由してとか?まさかね…。
ブエノスアイレスを発っておよそ1週間。11/5に「SENNAN」=泉南。関空に到着。
ここからはゆうパックで、11/6に無事浜松の自宅に届いた。
取り付け
FedExの封筒から出てきたのは薄い段ボールで挟んだだけという究極の簡易梱包。入っていたのはテールピースとブラケットだけ。説明書も何もない。素性不明すぎるが、取り付けばなんでもいい。
テールピースは鋳造ではなくプレス品。ひっかけの形状がお互いに違うのでブラケットごと交換しないといけない。ねじ穴が合うだろうか…という不安は的中。微妙に合わない。エンドピンの下穴が半分くらいズレてる程度の合わなさなので、ちゃんと取り付けようと思ったら一旦埋め木をして下穴を開けなおさないといけない。でもとりああず動画の撮影ができればいいので元の穴に合わせてブラケットを取り付けた。幸い本体に干渉する方向のズレではなかったのでその分だけフローとした状態で取り付いた。
弦は緩めてポールエンドだけ引っ掛けなおせば楽だと思っていたらそうはいかず。結局一旦弦を外すことに。12本もあるし主弦副弦の順番もあるし。結局1時間くらいかかったかな。なんとか張りなおすことができた。
弦は張れたけど音詰まり。ネックが逆反りしてる。どのくらい前からかわからないけど、テールピースが割れた時から弦のテンションがかからない状態だったわけで。仕方ないか。



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