ビートルズの宅録を全曲終え、その後にマイム演奏の動画製作も全曲終えた。これでもうビートルズは卒業…のはずだったんだが、blenderという3DCG製作ツールがあることを知り、新たな創作意欲が湧いてきた。
「4人のキャラを作って、それを動かして宅録音源にのせてみたい」
ビートルズの虜になった中学生の頃、彼らの似顔絵を描いていた。リアルではなくそれぞれの特徴を誇張してデフォルメさせたキャラクターだった。当時「これでアニメーションを作れないかな」と漠然と考えていた。
今ならできるじゃないか。
ver.1.0:とにかく「作る」
- 少年時代に描いていた2.5頭身キャラ
- ハイメッシュなんてとても無理なので超ローポリゴン
- とにかく「作る」こと
書籍とサイトを参考にしながら、なんとか作り上げた最初のキャラクター

SFCの初代スターフォックスかってくらい少ないポリゴン。
超シンプルながらも、動画では「瞬き」と「口パクパク」をシェイプキーを使って追加。瞬きのタイミングは適当だが口は歌に合わせて動かした。リップシンクではなく文字通り「口をパクパク」させてるだけなのだが、全て手作業なのでかなり時間が掛かる。
このキャラで3曲。
曲に合わせて動いた時は感動したものだ。
ver.2.0:メッシュの練り直し
- 三角、四角、多角形のポリゴンが混在している
- トポロジーの流れが悪い
- サブディビジョンをきれいに適用できずモデルがガタガタのまま
やはり基本をちゃんと勉強しないと話にならない。参考にしたのはこちらの動画。
シリーズになっていて、#1から#8まで進むと素体と髪の毛までが作れる。

メッシュとトポロジーに注意しながら作ったことでサブディビジョンが適用でき、キャラクターが滑らかになった。

また、リグには評判の良いAutoRigPro(ARP)を使うことにした。使い方は付属のマニュアルでなんとなくわかるが、解説動画はたくさんあるのでそれを参考にしてもいい。
ver.1.0で作った3曲のリメイクを含めて、これで7曲作った。
ver.3.0:素体モデルを購入
- 関節部の動きによるメッシュのねじれがひどい
- メッシュのねじれ故に「服の突き抜け問題」が多発
自作のメッシュの完成度がまだ低いのか、動かした時にメッシュがねじれたり潰れたりしてしまう。ウェイト調整が大事だということなので調整してみたがどうもうまくいかない。いっそ上手い人が作った素体を手に入れてしまう方が早道かも…と思い、Blender Marketでデフォルメキャラの素体を購入してみた。さすがに売り物だけあってトポロジーがきれいで関節の曲がりが幾分スムーズ。顔はver.2.0のものを流用して身体だけ入れ替えることにした。

旧作のリメイクはせず、続きで3曲作った。
ver.4.0:再構築とフェイシャル
- 口パク作りに手間がかかるわりに結果が単調でつまらない
- 表情に生気がなく硬い
- 肌色が光源の影響を受けて白飛びしやすい
- Auto Rig Proをうまく使いこなせない
AutoRigProは多機能で素晴らしいはずなのだが、「コントローラーでアーマチュアを動かす」という手順にどうして慣れないというか、リグ、アーマチュア、ボーンの関連性というかそもそもの仕組みがわからないレベルの自分にとってこれは使いこなす以前の問題だということに気が付いた。
仕組みがわかってこそ手抜きには意味があるのだ。
というわけで、勉強も兼ねてキャラクターのリグを自分で組むことにした。参考にしたのは「キャラメイク」に続いてまたまたこちらの御方。

リギング以外にもマテリアル(モデルの色設定)にも問題を抱えている。キャラクターモデルの再構築も含めてほぼ最初からやり直すことになった。

モデリング以外にもやりたいことがある。
それは「表情付け」。キャラに歌ってもらうのでリップシンクは重要なのだ。よいツールは無いかといくつか探して、最終的に「facemotion3d」というツールを採用することにした。
スマートフォンのカメラで表情をキャプチャしてそれをBlenderに送ってキャラクターの顔を動かせる。これまでみたいにただ口を上下にパクパクさせてるよりも「歌ってる」感じにグッと近付いた。あらかじめキャラクター側で50くらいのキーシェイプを設定しておく必要はあるが、一旦作ってしまえば使いまわせることを考えたらチョロいもんだ。

肌色の感じも良くなったし、瞳のテクスチャも改善したし、キャラクターは俄然いい感じになった。これで1曲作った。
ver.4.1:物理演算で髪を揺らす
- 髪に動きがない
俄然よくなったキャラクター。髪を動かしたらもっとよくなりそう。
またまたこの御方の動画を参考に「髪にリグを追加して物理演算揺らす」を取り入れた。


髪が動くことの効果は絶大。キャラがより一層生き生きしてきた。
これでリメイク1曲を含む5曲を作った。
ver.4.2:物理演算で服を揺らす
- 服に動きがない
キャラクターにロングコートを着せる。コートの形状が固定化されていては不自然なのでぜひ揺らしたい。というわけで物理演算なんだが、こちらはリグじゃなくてクロスシミュレーションを使った。

これで3曲作った。
ver.4.3:物理演算を見直し
- 髪の揺れが大袈裟すぎる
- オブジェクトの移動・回転に髪や服がついてこないことがある
- コリジョン含めて髪や服が思うように動かないことがある
物理演算で動くようになったものの、髪、服ともに問題を抱えていた。
髪は動きが大きく、身体が静止しているときでも小刻みな震えが残ることがある。おそらく衝突マージンの設定が原因だろうと想像はするのだが、パラメーターの変更が実際の動きにどう影響するのかがわかりにくい。
服は全体をクロスで作ったのだが、身体の急激な動きに服がついてこれず身体が服を突き破って服がどこかにいってしまうことがある。数時間かけてレンダリングした挙句に服がめちゃくちゃになるのを見るのはつらい。
動かすのは雰囲気を出すことが目的なので、髪も服も動くのは先端部分だけでいいということに気付いた。動かなくていい部分の頂点グループを固定に設定するとこれらの頂点を演算から除外できる。処理が早くなるうえに形状が破綻しない。安心してレンダリングできるようになった。

これで2曲作った。
ver.4.4:AutoRigPro再び
- 関節の細かい動きの制御が難しい
- IK、FKの使い分けがやりにくい
製作を続けてだんだん経験値が上がってきた。製作の幅が拡がった一方で自作のリグではなかなか思うようなポーズが作れず操作性に不満を感じ始めていた。
キャラクターデザインはそのままでAutoRigProに戻した。超初心者だった以前に比べて少しはうまく使えるようになっている。

これで1曲作った。
ver.4.4.1:
- リンゴの顔が可愛すぎ?
ちょっとだけ調整。

これで8曲作った。
ver.5.0:セルルック化と「BeatAnime」
- 漫画チックなキャラを3D描画するのは不自然?
ここまで3DCG的な諧調で作ってきたが、デフォルメキャラにこのグラフィックはちょっと無理があるような気がしてきた。照明の設定による変化が激しいのはリアルさを追求するなら必要なのだが僕はそこまで求めていないしじゃまに感じることさえもあるくらいだ。むしろテレビアニメのような外観の方がいい。
…それだ!
セルルックのアニメーション動画にすればいいんだ。
Toon Shader v4 for Blender EEVEEというものの存在を知り、ここからダウンロード。

使い方についてはこちらのページを参考に。

モデリングはそのままでシェーディングを変えただけだが効果はてきめん。キャラクターの雰囲気だけでなく、映像の方向性も定まった。
まさにまさに。これこそが僕が求めていたイメージ。

この方向性でカラオケ動画全曲作ろう。せっかくならシリーズものにしようということで名前を考え始めた。
本当は「Beatoons(Beatles+Cartoon)」にしたかったのだが、これは敬愛するAlvaro氏のものなので使えない。思案した末に「Beatles」と「Animation」を合わせて「BeatAnime」とした。タイトルロゴも作った。
これで5曲作った。
ver.5.1:首の長さ
- 首が少し長いかな?
首がちょっと長いせいか、頭を揺らすとペコちゃん人形にしか見えない。
首を少し短く。ついでに指のウェイトも調整した。

これで2曲作った。
ver.6.0:刷新、そして新たなシリーズへ
- ほぼ2頭身は頭でっかちすぎる気がした
- 体の線も細い
- 手足身体のバランスがあまりよくない
- ポリゴン数、顔が少ないのに耳が多い
- ポリゴン数、手が異様に細かい
「アンナ」を製作して以降、アニメ製作は休止状態になった。
やる気がなくなったわけではなく、実入りがあるスコア動画の製作に注力していたのと日々のギターの練習に没頭して優先順位が下がってしまったのだ。
気付けば2年が経過していた。
ある意味冷却期間だったわけだが、あらためてキャラクターを眺めていたら上記のような不具合が目についた。そもそもベースとなったこのモデルは全て自作したのではなく、作り方が怪しい旧版からの流用が残っていたり、作るのが面倒な耳や手はよそから持ってきて無理矢理合体させたりした「寄せ集め」だった。それ故キャラクター全体で見た時のトポロジーの一貫性を欠いていた。また「ほぼ2頭身」なうえに身体の線が細いのが災いして、シリーズの動画作りでいちばん重要な「ギターを弾く」アクションが破綻。その破綻をごまかそうとして腕を伸ばしたりした結果バランスが崩壊するという悪循環に陥りつつあった。
全部で200曲以上の製作に耐えられるキャラクターに組みなおした方がよさそうだ。どうせ誰も新作を待ってないんだから、結果を焦らずにじっくり納得がいくまで作りこむことにした。
- キャラクターを3頭身で作り直し
- 身体の部位を一般的な男性のバランスに近付ける
- 各部位のポリゴン数に注意
- フェイシャルのための表情もやや大げさに
これまでのものは全部捨てて、最初から作り直しだ。
この2年で劇的に進化している生成AIも試してみたい。

作業内容はこのサイトに記録していく=以下次号(笑)











































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