STAND BY ME ドラえもん
ドラ好き故に行かねば行かねばと思いつつ、しかしなかなか行けなかったこの映画。
公開から1ヶ月以上経ってようやく観ることができた。
毎年春に上映される長編版とは別。3DCGで制作され、さらに劇場でも通常上映の他に立体(3D)上映があるという。
広い世代に長年にわたってイメージが刷り込まれている素材に対して見た目が明らかに異なる手法を持ち込むのは、そのことだけで製作側にとっては大きなチャレンジだったはずだ。
予告編で感じた不安
1年ほど前から劇場で予告編を見る度に、正直不安だった。
ドラえもんはまだいい。もともと球体の集合体みたいなデザインだから3Dになっても全く違和感が無い。
反面、人間のキャラクターは難しい。
とは言うものの、これまでのび太たちが立体で作られたことはあった。
最近ではフィギュアも販売されていて、これがまた実にいい表情をしている。
これをそのまま3Dにしてくれればよかったのに。
でも違った。
白目のあるのび太、丸すぎるジャイアン、寄り目気味のしずかちゃん。
すごく違和感があった。
苦手な立体映像
キャラクターのイメージの他にもうひとつ不安があった。
それは「3Dシアター」。
僕はどうも目がおかしいようで、メガネをかけて見るこの「立体映像」がどうしても「立体」に見えないのだ。
かつて東京ディズニーランドでマイケル・ジャクソンの「キャプテンEO」ってのが上映されたことがあった。
「飛び出す映像」の触れ込みで、人気のスポットだった(と思う)。
ここで生まれて初めて「3Dシアター」を体験した。
ところが期待に反して飛び出すような映像には見えなかった。
ただ画面がぼやけてるだけ。
数年後にどこかの博物館か科学館でやはりメガネを渡されて立体映像を見る機会があったが、その時も同じだった。
対象がぼやけて見えるだけ。
どうやら僕の目は立体映像を見ることができない目のようだ。
しかし今回一緒に行く小2の息子は「3Dがいい」と仰る。
まぁ彼がそう言うなら是非もない。
つなぎ合わせの物語
今回のストーリーは大長編と違って短編の寄せ集めだ。
- 未来の国からはるばると
- たまごの中のしずちゃん
- しずちゃんさようなら
- 雪山のロマンス
- のび太の結婚前夜
- さようならドラえもん
- 帰ってきたドラえもん
寄せ集めとは言うものの、一応全体として話をまとめようとする脚本、演出ではある。
独自の設定やつなぎの場面もあり、あくまで「1本のストーリー」として観客を引きこもうとしている。
明らかな継ぎ接ぎであるという印象はない。
んだと思う。
しかし…漫画を読んできた僕にとってはどうしても場面場面で原作が思い浮かんでしまう。
そしてその度に頭の中でブツリとストーリーが切れてしまうのだ。
だから1本の話として違和感があるのかどうかってのは正直分からない。
そういう見方ができないから。
あと時代設定がよくわからない。
のび太の家には黒電話や箱型のテレビがあり、部屋はいつもの畳張り。
おそらく1970年代の風景だ。
だから「結婚前夜」のくだりでタイムマシンで訪れた「未来の世界」は1990年代のはず。
ところがそこはとんでもなく進歩した世界になっていた。
Back To The Future Part 2に登場した2015年…いや、それ以上に進歩し、洗練された世界に見えた。
まぁ今の風景をそのまま描写しても「未来」というには演出上弱すぎるので、ここは仕方のないところか。
目が…
今回はぼやけることは少なかった。ちゃんと飛び出して見えた場面もあった。
3D技術もちょこちょこ変わっているのだろうか。
それはよかったんだけど、すごく目が疲れた。
息子も「頭がくらくらする」って言ってたし。
もう3Dシアターはやめておこう。