You Know My Name (Look up the number) – The Beatles

SINGLE COLLECTION,The Beatles

composed by John Lennon & Paul McCartney ©1967 Northern Songs Ltd.
 

僕の名前を知ってるだろ
電話番号調べろよ

 
1970年に発売されたビートルズ22枚目のオリジナル・シングルのB面(A面は「レット・イット・ビー」)。これが彼らの活動期間中の最後のシングル盤となった。
クレジットはLennon – McCartneyだが実質的にはジョン・レノンの作品である。

アレンジを変えながら"You know my name. Look up the number"を延々繰り返す…というややおふざけ的な曲。
キャッチーで超がつくほど有名なA面とのギャップがすさまじい。

1967年にレコーディングが開始されたがその時点では未完成だった。1969年にはボーカルを加えて「完成版」を作ったもののリリースの機会がなく、業を煮やしたジョンはこの曲と"What’s The New Of Mary Jane"をカップリングしてプラスティック・オノ・バンドのシングルにしようと計画した。一旦はAPPLES-1002のレコード番号でプレスまでされたものの結局中止となり、最終的に1970年に「レット・イット・ビー」のB面に収まった。
エンディングのサックスはローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズの演奏。しかしこの曲がリリースされた時、ブライアンは既に他界していた。


John Lennon (1969)
There was another song I wrote around 'Pepper’ time that’s still in the can, called 'You Know My Name Look Up The Number.’ That’s the only words to it. It just goes on all the way like that, and we did these mad backings. But I never finished it, and I must.
 
「ペッパー」の頃に書いた曲がもう1曲ある。「ユー・ノウ・マイ・ネーム」っていう、まだやりかけなんだ。同じ言葉をひたすら繰り返すのさ。バッキングは録ったけど、まだ仕上げてないんだよね…やらなくちゃ。

John Lennon (1980)
That was a piece of unfinished music that I turned into a comedy record with Paul. I was waiting for him in his house, and I saw the phone book was on the piano with the words, 'You know the name, look up the number.’ It was like a logo, and I just changed it. It was going to be a four tops kind of song– the chord changes are like that– but it never developed and we made a joke out of it.
 
ポールと一緒に録音した未完成な曲だ。あとからコメディーみたいになっちゃったけど。家で彼が来るのを待ってた時、ピアノの上に置いてある電話帳を見て’You know my name, look up the number’って言葉が浮かんできた。実際に書かれてたロゴみたいなものを自分の中で置き換えちゃったんだね。曲は4章構成で…こんな風にコードが代わるんだけど…でも発展させることなく冗談で終わっちゃったよ。

Paul McCartney (1988)
People are only just discovering the B-sides of Beatles singles. They’re only just discovering things like 'You Know My Name’ –probably my favorite Beatles track ! Just because it’s so insane. All the memories– I mean, what would you do if a guy like John Lennon turned up at the studio and said, 'I’ve got a new song.’ I said, 'What’s the words ?’ and he replied, 'You know my name look up the number.’ I asked, 'What’s the rest of it ?’ '…No. No other words, those are the words. And I wanna do it like a mantra!’ We did it over a period of maybe two or three years. We started off and we just did 20 minutes, and we tried it again and it didn’t work. We tried it again, and we had these endless, crazy fun sessions. Eventually we pulled it all together and I sang, (sings in jazzy voice) 'You know my name…’ and we just did a skit. Mal (Evans) and his gravel. I can still see Mal digging the gravel. And it was just so hilarious to put that record together. It’s not a great melody or anything, it’s just unique. Some people haven’t discovered that song yet.
 
ビートルズのB面を聴いてくれる人だけが「ユー・ノウ・マイ・ネーム」みたいな曲を知ってる。これは僕の大好きなビートルズ・ナンバーなんだ!すごくおかしな曲だからね。なにもかも突飛だった。もしジョン・レノンみたいなやつがスタジオに来て「新曲ができたぞ!」って言ったらどう反応する?もちろん僕は「どんな歌詞?」って聞いたよ。すると彼は「You know my name look up the number」って答えた。僕が「…他には?」って聞くと彼は「いやいや、これだけさ。マントラみたいにこれを繰り返すんだ!」。僕らはこの曲に2、3年間取り組んだよ。20分くらいのものになって、何とかしようとしたんだけどどうにもならなかった。で、一旦やめてまたトライすることにしたんだ。いつ終わるかもわからない、すっちゃかめっちゃかで楽しいセッションだった。僕がYou know my name~って(ジャズっぽく)歌って、ジョンと一緒にスキットも入れた。マル(エバンス)はスコップを持ってて、彼がそれで砂を掘ってる姿が今でも思い浮かぶよ。そうやってワイワイ賑やかにレコーディングしたんだ。偉大なメドレーとかじゃないけど、すごくユニークだよ。でもまだこれを聴いたことのない人もいるんだよね。

Paul McCartney (1994)
I remember at one point we asked Mal (Evans) to shovel a bucket of gravel as a rhythmic device. We had a bit of a giggle doing those kind of tracks… Brian Jones (Rolling Stones) plays a funny sax solo. It’s not amazingly well played but it happened to be exactly what we wanted. Brian was very good like that.
 
僕らはマル(エバンス)にシャベルかスコップでリズムパートを受け持つように頼んだんだ。笑えるトラックもあった…(ローリング・ストーンズの)ブライアン・ジョーンズがおかしなサックスソロを吹いたんだ。「驚くほど素晴らしい」とは言い難いけれど、僕らがイメージしていた通りの演奏だったよ。ブライアンはよくやってくれた。

My Recording Data

便宜的に曲の構成を下記のように分割して各パートの説明します。

  • 第1セクション:イントロから最初のブレークまで。
  • 第2セクション:マラカスがジャカジャカ鳴ってるマンボっぽい部分。フェードアウトで終わる。
  • 第3セクション:鳥の鳴き声みたいなSEがバリバリ入ってるパート。"That’s right"で終わる。
  • 第4セクション:"Yeah"を合図に始まるピアノのフレーズから最後まで。

Environment

HostApple iMac MC509J/A
ApplicationApple Logic Pro 10.1
Audio I/FRoland UA-55
 

Tr.1 :: Drums

  • KONTAKT 5 – ABBEY ROAD 60S DRUMMER
  • Channel EQ > Space D > Compressor
  • 第1セクション、第2セクション、第4セクションで同じセット。ハンドクラップもここに配置。

 

Tr.2 :: Piano

  • exs24 Classic Piano
  • Channel EQ > Exciter > Space D > Compressor

全編通して鳴ってる唯一のパート。第1セクションはダンパー踏みっぱなしで強め、第2セクションはホンキートンクっぽく軽めに、第3セクションはペダル踏まずに歯切れよく、第4セクションはジャズっぽくちょっとタメ気味。各セクションでキャラがガラッと変わる。
 

Tr.3 :: Bass

  • Hofner 500/1 Vintage 62 (Bass=on, Treble=off, Solo)
  • Guitar Rig > Multipressor > Channel EQ > Limiter

Rickenbacker 4001だとリアピックアップのホースシューが邪魔でイントロのミュートトーンが弾きにくい。なのでここはHofnerだと思う。
ちなみにビートルズでベースのミュートトーンといえば「ベイビー・ユー・アー・リッチマン」でも使われている。
でもあれはRickenbackerっぽい。
「ベイビー・ユー・アー・リッチマン」は空ピックに近い音なので左手(フィンガーボード側・ポールの場合は右手)のミュートだけでいける。だからRickenbackerのホースシューは関係ない。
でもこの「ユー・ノウ・マイ・ネーム」のミュートは左手(ポールは右手ね)だけだと音が潰れすぎてしまうのでフレットはちゃんと押さえて、右手(ブリッジ側・ポールの場合は左手)のミュートを使う。
第1セクションはピック弾き。第4セクションはベースの持ち替えが面倒だったのでそのままHofnerで録音したが原曲では何を使ってたのかはわからない。アタックが立ってない感じだったので指弾きした。
 

Tr.4 :: E.Guitar

  • Epiphone Elitist CASINO (rear-full)
  • Guitar Rig > Channel EQ > Exciter > Compressor
  • 第1セクションのみ。

 

Tr.4 :: Cowbell

  • exs24 – Percussion Kit
  • 第2セクションのみ

 

Tr.5 :: Percussion 1

  • KONTAKT 5 – Ewe
  • 第2セクションのみ。高音に寄った打撃音。素性は不明。

 

Tr.6 :: Maracas

  • Maracas
  • Channel EQ > Compressor > Spread > Limiter
  • 第2セクションのみ。

 

Tr.7 :: Gravel

  • Gravel & Sand
  • Sample Delay
  • スコップで砂をジャキジャキ。家に砂がないので近所の公園の砂場から拝借してきた。

 

Tr.8 :: Applause

  • Handclap
  • Compressor
  • 第2セクションの冒頭に入ってるあまり心のこもっていない感じの拍手。The Continuing Story Of Bungalow Billのエンディング用に録音したものを再利用。

 

Tr.9 :: Conga

  • KONTAKT 5 – Conga
  • Compressor
  • 第3セクションのメインのリズムパート。

 

Tr.10 :: Percussion 2

  • KONTAKT 5 – African Shaker
  • Channel EQ
  • 第3セクションで小節のアタマに合図のように鳴っている「ジャララ」っていう音。

 

Tr.11 :: Door

  • 第3セクションでうっすら聞こえるドアが軋んでるような音。ネットでオーディオ素材を拾って適当につなぎ合わせた。

 

Tr.12 :: Bird Whistle

  • KONTAKT 5 – Whistle
  • 第3セクションで鳴ってる鳥の声みたいな音。

 

Tr.13 :: Various SE

  • 第2セクション冒頭の拍手2トラック目。それと第3セクションの鳩の「クルックー」みたいな音。

 

Tr.14 :: Saxophone

  • KONTAKT 5 – Tenor Saxophone
  • Vocal Transformer
  • 第4セクションのエンディング。

 

Tr.15 :: Vibraphone

  • exs24 – Vibraphone
  • Channel EQ > Space D
  • 第4セクションのエンディング。

 

Tr.16 :: Moaning

  • 曲が終わった後のジョンの意味不明のうめき。原曲を挿入。

 


History

2015.02.05: version 2.0
2004.08.01: version 1.0

Diary


 


Sources