Please Please Me – The Beatles
昨日の夜あの娘に言ったんだ
君は試してみようともしないんだねって
さあ
こっちに来て
僕を喜ばせてよ
僕が君にそうしているように
やり方はわかってるはずさ
何度も言わせないでくれよ
さあ
こっちに来て
僕を喜ばせてよ
僕が君にそうしているように
愚痴を言いたくはないけど
僕は心の中はいつも土砂降りさ
君を喜ばせるためならなんだってするのに
全然わかってもらえない
なんで僕を気鬱にさせるんだ
昨日の夜あの娘に言ったんだ
君は試してみようともしないんだねって
さあ
こっちに来て
僕を喜ばせてよ
僕が君にそうしているように
僕がしているように
君のためにしているように
ビートルズが1963年にリリースした2枚目のシングル盤A面で、彼らが初めてヒットチャートでNo.1を獲得した曲。翌年にリリースしたアルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」の7曲目(A面のラストナンバー)にも収録されている。クレジットはLennon – McCartneyだが、実質的にはジョン・レノンの作品である。
ビートルズのデビュー・シングル「ラブ・ミー・ドゥー」は英国チャートの16位まで上昇。最初にしては悪くなかったのだがプロデューサーのジョージ・マーチンはこの結果に不満で、次はプロの作曲家の手による「ハウ・ドゥー・ユー・ドゥー・イット」を用意。ビートルズも一旦は承諾しレコーディングまで済ませていた。しかし彼らは次のレコードもできれば自分たちのオリジナル・ナンバーでリリースしたいと考えていた。そこで持ち込まれたのがこの曲だった。
Please Please Meというタイトルは翻訳すると「私を喜ばせてください」。"please"という単語がもつ2つの意味を使った言葉遊び的要素がある。ジョンはこのアイデアについて「ビング・クロスビーの曲『プリーズ』の歌詞"Please lend your little ear to my please"から得たと話している。
オリジナルの曲調はジョンが憧れていたロイ・オービソンの代表曲「オンリー・ザ・ロンリー」を思わせるスロー・ナンバーであったがプロデューサーのジョージ・マーティンはこのアレンジに物足りなさを感じており、2曲目のレコードは「ハウ・ドゥー・ユー・ドゥー・イット」にほぼ決まりかけた。「これに負けないのを作って来い!」というマーティンに発破をかけられたビートルズはプリーズ・プリーズ・ミーを書き換え、テンポアップしたものを用意した。
アップテンポのバージョンを聞いたマーティンは「これだ!」と確信。録音終了時に「この曲が君たちにとって初のナンバー・ワン・ヒットになる」とメンバーに声をかけた。そして一部のローカル・チャートではあったが、その通りになった。
Our recording manager (George Martin) thought our arrangement was fussy, so we tried to make it simpler. We were getting tired though, and just couldn’t seem to get it right. In the following weeks we went over it again and again. We changed the tempo a little, we altered the words slightly, and we went over the idea of featuring the harmonica just as we’d done on 'Love Me Do.’ By the time the session came around we were so happy with the result, we couldn’t get it recorded fast enough.
僕らのレコーディングマネージャー(ジョージ・マーティン)はアレンジが繊細すぎるって言ったんだ。だからシンプルにやってみることにした。でもなかなか良いものにならなくてね。それから数週間あれこれ試した。テンポを変え、歌詞も変え、「ラブ・ミー・ドゥー」みたいにハーモニカをフィーチャーしたアレンジにしてみた。その上で臨んだセッションで満足したものができたんだよ。
ジョン・レノン(1963)
'Please Please Me’ is my song completely. It was my attempt at writing a Roy Orbison song, would you believe it? I wrote it in the bedroom in my house at Menlove Avenue, which was my auntie’s place. I heard Roy Orbison doing 'Only The Lonely’ or something. That’s where that came from. And also I was always intrigued by the words of 'Please Lend Your Ears To My Please,’ a Bing Crosby song. I was always intrigued by the double use of the word 'please.’ So it was a combination of Bing Crosby and Roy Orbison.
「プリーズ・プリーズ・ミー」は僕の曲だ。ロイ・オービソン風の曲にしようとして…本当さ。メンローブ・アベニューの叔母の家の寝室で書いた。ロイ・オービソンの「オンリー・ザ・ロンリー」か何かを聴いててね。それがこの曲の由来さ。それから僕はビング・クロスビーの"Please Lend Your Ears To My Please"っていうフレーズに感心してたんだ。ここでは"Please"って単語を2つの意味で使ってるんだよ。だから、そうだな、この曲はビング・クロスビーとロイ・オービソンに影響されたんだね。
ジョン・レノン(1980年)
It’s very Roy Orbison when you slow it down. George Martin up-tempo’d it. He thought it was too much of a dirge, and probably too like Orbison. So he cleverly speeded us up… and we put in the little scaled riff at the beginning, which was very catchy.
ロイ・オービソン風のスローな曲だった。ジョージ・マーティンが「テンポを上げたらどうだろう?」って。彼はあまりにも重々しく聞こえたんだろう。それにオービソンっぽすぎるとも思ったのかもね。だからテンポを上げさせて、そして曲の最初にスケールをなぞったリフを置いた。これがすごくキャッチーだった。
ポール・マッカートニー(1988)
(セカンドシングルは)できればオリジナルがいい。これ(「ハウ・ドゥー・ユー・ドゥー・イット」)に負けないのを作ってこいと言ったんです。そしたら「プリーズ・プリーズ・ミー」を書き換えテンポアップしたものを持ってきました。私は「これだ!」と小躍りしました。抜群の雰囲気でしたね。これはものすごく売れました。
ジョージ。マーチン(1982)
Environment
History
2024.02.20: version 2.3
2018.12.07: version 2.2
2015.08.09: version 2.1
2010.09.04: version 2.0
2005.05.15: version 1.1
2002.05.18: version 1.0
Diary
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- 宅録ビートルズ・2周目 014 (2010/08/22)
- 宅録ビートルズ・2周目 011 (2010/08/19)
- 宅録ビートルズ・2周目 010 (2010/08/14)
- 宅録ビートルズ・2周目 004 (2010/08/04)
Sources
- Wikipedia English, 日本語
- The Beatles Interviews Database