宅録ビートルズ・2周目 – HELP ! 総括

宅録日記

 
2011年3月26日に着手して5月26日に完成。
日数計算上は62日だが宅録日記ナンバーは059~069なので、録音に要した日数は11日ってことになってるけどこの時期の日記はまとめ書きしてるので実際はもっとかかってたはず。
2016年1月~3月、動画製作のついでに11日間リミックス作業(一部パートの再録音を含む)をした。

仕上がったので、振り返り。

 

微妙に低い

tuner
普通のチューニングはA=440Hz。ところがこのアルバム、A面はこれより低い。
僕は原曲をアレンジウィンドウ上に置いてこれをガイドトラックにして各パートをコピーするというやり方をしてるんだが、3曲目のYou’ve Got To Hide Your Love Awayの時にチューニングが合わないことに気がついた。半音(100セント)下、とかじゃない。マイナス35~40セント…A=430くらいなのだ。4曲目以降もやはり低くなっていて、極めつけはA面最後のTicket To RideでA=425くらいまで落ちてる。
ギターだけなら調律は自由だからどうにでもなるけど、ピアノはそうはいかない。だから原曲は演奏は通常のチューニングもしくはきっちり半音落としであとからテープの回転数で調整したはず。なんでわざわざそんなことをしたのか理由はわからない。ところがB面に入るとA=440に戻るのだ(それでもわずかに低め)。なんとも不思議。
僕も原曲に合わせてチューニングを落とすことにした。12弦ギターのチューニングはこの上なく面倒なのだが、気付いてしまったからにはやらないとキモチワルイ。ほんとに微妙なことなんだけど、これだけで曲の雰囲気が変わる。普通のチューニングでやるとちょっと軽薄な感じになってしまうんだこれが。
 

Pianet

pianet
このアルバムでビートルズはHorner社のPianetという鍵盤楽器を使い始めた。お世辞にも高級感漂うとはいえない、かといってワイルドで荒っぽいという感じでもない。なんとも中途半端な独特の音の楽器だ。これがこのアルバムで4曲に使われた。The Night BeforeYou Like Me Too MuchTell Me What You See, Dizzy Miss Lizzy…と書くと「ああ、あの音ね」とイメージできるかと思う。そう。特徴的で耳につく音なのだ。
version 2.0まではこのパートはエレピの音を加工して作っていたが、かなり難儀した。いくらやってもなかなか似た音にならない。難儀した挙句に妥協しなければならないパートだった。
動画化・リミックスのversion 2.1の時、KONTAKTで使えるPIanetのフリー音源とかないかなぁ…とググッていたらNative Instrumentsのサイトで"SCARBEE CLAVINET / PIANET“というのがヒットした。フリーじゃないけど名前がまんま"Pianet"。しかもサンプリングしたのはビートルズが使っていたtype-Nのものだという。
デモ音源聴いて即決。お買い上げ。ダウンロード版だからすぐに使える。
昔なら「これは!」商品の存在を知っても浜松ではなかなか手に入らないから東京とか大阪みたいな大都市まで出掛けて楽器屋巡って…みたいなことしなけりゃならなかった。しかもソフト音源のデモなんてなかなか聴くことができなかったから購入は半ば賭けだった。値段も高かった。
それが自宅に居ながらデモ音源を確認した上で買えてすぐに使える。しかも値段もさほど高くない。
つくづくすごい世の中になったもんだと思う。
と、必要にかられて買ったものの実は使用頻度はかなり少ない。前述の4曲以外だとI Am The WalrusThink For YourselfRevolutionでPianetが使われたらしい。Revolutionの動画化は既に終わってるし、となると全部で6曲か…「さほど高くない」とはいえ8,700円だったから、えっと1曲あたり1,450円。


ちと割高だったかな(汗)。
 

邪教の指輪

ring
映画"HELP !"はリンゴの赤い指輪をめぐるドタバタ話。
邪神カイリに捧げる生け贄がはめる指輪を何故かリンゴがしていて(劇中では『東洋のファンが送ってきた』 と言ってた)、教祖とその一味がリンゴから指輪を奪おうとしてビートルズを追いかけ回す…というなんとも陳腐な喜劇だった。
そんなわけでこの映画でリンゴはずっと指輪をはめてる。もともと指輪が好きなリンゴなのでこの映画に限らずいつもしていたのかもしれないけど、映画の指輪の石はとんでもなく大きな赤い石だったので目立ってた。
僕は普段指輪なんてしない。
でも今回はリンゴみたいな指輪をして動画を撮ったら面白いかもと思い立ち、ネットや地元の店で探してみた。
ところがなかなかいいのが見つからない。アクセサリーショップ、おもちゃ屋、はては近所のダイソーにも無い。東急ハンズならありそうなんだけど、あいにく浜松にハンズはない。
最終的にネットのアーミーショップでやや大きな赤い石の指輪を見つけることができたので購入。350円。石はリンゴのほど巨大じゃないけど、そこそこ目立つのでよしとした。
A面の曲のドラム・パーカッションパートはこれをはめて撮影した。この指輪に気付いてその意味をわかってくれる人は果たして何人くらいいるんだろう?
 

ペースダウン

slow
動画作りは2016年1月末から始めて1週間で4曲終えたのだが、2月3月はほとんど手がつけられなかった。
理由は職業的精神的肉体的健康上などいろいろ。どうしても新しい物を作るテンションになれなかったのだ。

ところがまぁ思いの外突き上げがやって来た。
「次はいつだ」って。
ありがたい話なんだけど、正直鬱陶しい。
すまん。でも返事をする余裕もなかったんだ。
2月最後の週末、半ば無理矢理4曲作って一気にアップしてなんとか一旦沈静化したもののその後もやはりこれまでのペースが維持できない。

また長期不在になってしまうこともあるかもしれない。とは言っても今年中にはビートルズ全曲動画化は終わらせたいところだ。
 

over 3,000

3k
YouTubeのチャンネル登録者が3,000人を突破した。3ヶ月で1,000人増。1,000→2,000は4ヶ月だった。だんだんペースが上がってきてる。
1ヶ月の視聴回数が全動画でおよそ176,000回。再生時間は277,000程とこちらも順調に伸びている。
一方で動画を上げた途端に低評価を付ける人がいることにも気がついた。何が気に入らないのか知らないけど。
アンチ、ってとこかな。まぁアンチが付くようになればそれはそれでたいしたもんだと思うことにしよう。
 

新たな発見

今回の製作過程で気が付いたこと一覧。
僕なりの解釈なので、違うところはあるかもしれないけど。

  • Help !のアコギは12弦だという説が。言われてみればそんな気もしたので12弦っぽい音作りをしてみた。でも6弦でも雰囲気壊すことはないと思う。
  • Help !のエレキは2本入ってて、1本はいかにも「グレッチ」っていう音で♪Help me if you can~からのベース下降ラインと♪Won’t you please~の部分の短いソロ。もう1本は多分12弦。コードの白玉だが音量は小さい。
  • The Night Beforeのイントロ。Fの部分で下からの引っ掛けが入る。多分ギター。
  • The Night Beforeのエレピはバースごとにちょっと小技が入ってる。スコア全くあてにならず。
  • You’ve Got To Hide Your Love Awayはクロマチックを外れてる。A=430くらい。
  • You’ve Got To Hide Your Love Awayはドラムレスじゃない。多分ブラシだけどちゃんと入ってる。
  • I Need Youもクロマチックを外れてる。A=430くらい。
  • I Need Youでボリュームペダル介してるギターは12弦。メインリフはセーハコードのポジションっぽいのにBが鳴らせるってことは4Fカポで弾いてるのか。
  • Another Girlもクロマチックを外れてる。A=430くらい。
  • Another Girlのエレキのカッティングは12弦だと思う。
  • Another Girlのスネアに合わせてハンドクラップが。
  • You’re Going To Lose That Girlもクロマチックを…ひょっとしてこのアルバム、全曲A=430なの?
  • You’re Going To Lose That Girlの間奏のギターはオーバーダブ。
  • Ticket To Rideもクロマチックを外れてる。外れ方は他の曲よりも大きい。A=425くらい。
  • Act Naturallyのリードギターは歌の合間のオブリガートだけじゃなくて全編バッキング鳴らしてる。聞き取りにくいけど。
  • It’s Only Loveのリードギターは謎。グレッチでやったけどサスティーンの伸び方が違う気もする。ストラトか?と思って試したけどうまく音が作れなかった。
  • You Like Me Too Muchのピアノ、シンコーのスコアは全是違う。どうしてそうなった。
  • Tell Me What You Seeはわずかにクロマチックを外れてる。A=435くらい。ビミョー。
  • Tell Me What You Seeはギターだけがひたすらシンコペーションで入ってる。弾きにくいったらありゃしない。
  • Tell Me What You Seeのパーカッションは基本的に同じパターンなんだけど、1箇所だけギロがズレてるとことがある。
  • I’ve Just Seen A Faceもわずかにクロマチックを外れてる。A=434くらい。さらにビミョー。
  • I’ve Just Seen A Faceのギターはベーシックトラックが6弦2本と12弦1本。6弦のうち1本は2カポでGフォームなのかもしれない。
  • Yesterdayのギターは全弦1音下げでGフォーム。このGは2弦3フレットを押さえる「ビートルズ流のG」フォームじゃないとこの雰囲気にならない。
  • Yesterdayのギターはベース弦がバチバチ鳴ってるがこれはチューニング下げでテンションが下がってるからちゃんと鳴らそうとするとそうなってしまうのであって決してスラップみたいに弾いてるわけじゃない。あくまで普通に弾いてる
  • Dizzy Miss Lizzyのリードギターは2トラック使っていて基本的に同じことやってるんだけど数箇所外れてるところがある。
  • Dizzy Miss Lizzyの2回目の間奏でベースがミスってる。ずっと定型パターンを弾き続けるのって意外と難しいんだよ。自分で弾いてみるとよくわかる。

 

さて、お次は・・・

RUBBER SOULのリミックスと動画作り。
 
beatles06_rubbersoul