She Loves You – The Beatles

SINGLE COLLECTION,The Beatles

composed by John Lennon & Paul McCartney ©1963 Northern Songs Ltd.

1963年に発売されたビートルズ4枚目のオリジナル・シングルのA面 (B面は「アイル・ゲット・ユー」)。ジョン・レノンとポール・マッカートニーの共作。

2枚目のシングル「プリーズ・プリーズ・ミー」、5枚目の「抱きしめたい」と共にビートルズのイメージを決定付けその人気を確立した初期の重要なヒット曲のひとつ。彼らにとって初のミリオンセラーとなり、売上枚数166万枚は当時の英国でのシングルレコードセールスの最高記録で1977年まで破られることはなかった。ちなみにこの「記録」を破った曲はポール・マッカートニー&ウィングスの「夢の旅人」だった。

当時の英国では「下品な言葉」とされていた"Yeah"という掛け声をこれでもかとばかりに連呼する。この曲によって広く知られることになったビートルズの音楽を「大きな音で頭を振って『ヤー』と叫ぶ曲」と批判めいて評した大人たちをよそに、若者たちは熱狂していった。

ドラムのフィルインからいきなりサビに入るアレンジはプロデューサーのジョージ・マーチンのアイデア。最後のコードに関してはジョージ・マーチンは違和感を持っていたものの、ジョンとポールは自分たちの主張を曲げなかった。
ポールは最初この歌を「掛け合い形式」にしようと考えていた。ポールが♪She loves youと歌うのに続いて他のメンバーが♪Yeah yeah yeahと応える、というものだ。しかしジョンがポールを説得してこれをやめさせた。

英国で空前の大ヒット曲となったが米国のEMI系列のキャピタル・レコードは「これは米国ではウケない」として販売を拒否。マイナーレーベルの「スワン」からリリースされたが全くヒットしなかった。その後「抱きしめたい」のヒットによって米国でも人気が急上昇したことを受けてキャピタルは後追いで「シー・ラブズ・ユー」もリリース。250万枚以上を売り上げた。

ドイツ語版

この曲には"Sie Liebt Dich"というドイツ語版がある。

1964年1月のフランスでの旅公演中に「ドイツ語版製作」の話が持ち上がった。「ドイツではドイツ語版を出さないとレコードが売れない」…EMIの西ドイツ支部オデオンの姿勢は強硬だった。マネージャーのブライアン・エプスタインとプロデューサーのジョージ・マーチンはこの話に納得し、引き受けた。
ところがビートルズはドイツ語での録音に全く乗り気ではなく滞在していたホテルから出ようとしない。彼らを説得するためジョージ・マーチンがホテルに出向いた。
「部屋に入ると彼らはジェーン・アッシャー(当時のポールの恋人)が入れたお茶をのんびりと飲んでたんだ。僕の顔を見た途端に急にアタフタしてた。校長先生に悪事を見つかった腕白生徒のような顔をしてたよ」
観念した彼らはパリのEMIパテ・マルコーニ・スタジオでレコーディングを行なった。

「シー・ラブズ・ユー」の英語版のバックトラックのマスターテープは既に破棄されていたため、ドイツ語版用に演奏から再録音された。
同じ日に「抱きしめたい」のドイツ語版"Komm, Gib Mir Deine Hand"も録音され、この2曲をカップリングしたシングル盤が西ドイツで発売された。

乗り気ではない企画だったがいざセッションが始まるとメンバーは精力的に取り組み、この面倒な仕事を思いの外早く片付けた。そして余った時間で彼らはもうひとつ別の曲…全くの新曲である「キャント・バイ・ミー・ラブ」もこのスタジオで録音。ほんの数テイクで完成させてしまった。

Environment

Musical Score

History

2019.03.03: version 2.1
2015.07.12: version 2.0
2004.05.09: version 1.0

Diary


Sources