Strawberry Fields Forever – The Beatles

MAGICAL MYSTERY TOUR,The Beatles

composed by John Lennon & Paul McCartney ©1967 Northern Songs Ltd.
 

君を連れて行きたいんだ
ストロベリー・フィールズへ
すべてが幻
心を乱すものは何もない
ストロベリー・フィールズよ永遠に

 
1967年に発売されたビートルズ14枚目のオリジナル・シングル(Penny Laneと両A面)。クレジットはLennon – McCartneyだが実質的にはジョン・レノンの作品である。
両面共に当時の音楽シーンのレベルを遥かに超越した稀代の名曲なのだが英国チャートでNo.1を獲得できず「ビートルズは落ち目か?」と揶揄された。(No.1が獲れなかったシングル盤はデビュー曲のLove Me Doとこれだけ)
同年にビートルズ自身が製作・主演したテレビ用の映画MAGICAL MYSTERY TOURの米キャピトル編集盤サウンドトラック・アルバムの8曲目にも収録されたが、この曲は映画では使用されていない。

リバプールにある戦争孤児院「ストロベリー・フィールド」をモチーフに作った曲というのが通説だが、ジョン自身はそれが実在したという記憶は無く「ストロベリー・フィールズ」は架空の場所だとインタビューで答えていた。
しかし曲のタイトルと同名ということで、場所はファンにとっての聖地となる。
年が経つにつれ入居する孤児が減少したことに加え、孤児のためには孤児院よりも里親制度のほうが好ましいとの運営側の判断もあり2005年にこの施設は閉鎖された。建物の存続が心配されたが2006年10月に祈祷や瞑想のための部屋を備えた修道施設として再びオープンした。

Strawberry Fields ForeverとPenny Laneの2曲はもともとREVOLVERの続編製作の一環としてアルバム用に録音された曲だった。
彼らはアルバムのテーマを「自分たちの少年時代」にしようと考え故郷リバプールを思い出させる作品を作っていたが、米キャピタルの都合により2曲が急遽発売されることになったのだ。

最初は通常のバンド編成で録音し、OKテイクも決めていた。イントロの楽器は当時の最新テクノロジーで現代のサンプラーの原型であるメロトロン。ポール・マッカートニーが演奏した。
ところが後日になってジョンが「作り直したい」と言い出す。そこで今度はブラスとストリングスのアレンジに変更して再録音された。この時のテンポとキーはバンドテイクとは全く違うものになっていた。
新バージョンのリダクションを終えてまたしばらく経ったある日、ジョンが今度は「2つを合わせたい」希望。「テンポもキーも違うから無理」と難色を示すプロデューサーのジョージ・マーチンにジョンは「君ならできる!」と頼み込んだ。

2つのテイクの継ぎ目は2バース目の冒頭"Let me take you down, 'cause I’m going to"の"I’m"と"going"の間。
バンドテイクはテープの回転数を速くしてピッチを上げ、管弦楽テイクは逆に回転数を落としてピッチを下げて繋ぎ合わせている。完全に一致はしていないがなんとか違和感のないレベルに仕上げることに成功した。

レコーディングにはかなりの時間が掛けられていたがジョン本人は最後までアレンジ面に不満があったようで、1980年のインタビューで、Help !、I Am The Walrusと共にもう一度レコーディングしたい曲としてこのStrawberry Fields Foreverを挙げていた。ジョージ・マーティンは初めてジョンが目の前で歌ったギターだけの演奏が最高だったと述懐している。

フェードアウトでジョンが発した言葉が「ポールを埋めた(I buried Paul)」と聞こえると話題になり、後年「ポール死亡説」を裏付ける一因とされたが、ジョンによれば「クランベリーソース(Cranberry Sauce)」と言っているだけとのことだった。

プロモーション・フィルムもカラー映像で製作された。
当時としては珍しく演奏シーンの全くないものだがこのフィルムも非常に評価が高い。


John Lennon (1968)
Strawberry Fields was a place near us that happened to be a Salvation Army home. But Strawberry Fields– I mean, I have visions of Strawberry Fields. And there was Penny Lane, and the Cast Iron Shore, which I’ve just got in some song now, and they were just good names– just groovy names. Just good sounding. Because Strawberry Fields is anywhere you want to go.
 
「ストロベリー・フィールズ」っていうのが救世軍の施設の近くに偶然あったらしいんだけど、僕としてはこれは視覚的なイメージなんだ。ペニー・レーンとかキャスト・アイアン海岸とか、今では曲になってる場所と同じさ。名前の響きが気に入ったんだ。君が行きたいと思ったその場所こそが「ストロベリー・フィールズ」だよ。

Paul McCartney (1974)
That wasn’t 'I buried Paul’ at all– that was John saying 'Cranberry sauce.’ It was the end of Strawberry Fields. That’s John’s humor. John would say something totally out of sync, like cranberry sauce. If you don’t realize that John’s apt to say cranberry sauce when he feels like it, then you start to hear a funny little word there, and you think, 'Aha!’
 
「ポールを埋めた」じゃないよ。ジョンは「クランベリー・ソース」って言ったんだ。「ストロベリー・フィールズ」の最後のところでね。ジョンのユーモアさ。「クランベリー・ソース」みたいな突拍子もないことを言うんだ。

John Lennon (1980)
Strawberry Fields is a real place. After I stopped living at Penny Lane, I moved in with my auntie who lived in the suburbs… not the poor slummy kind of image that was projected in all the Beatles stories. Near that home was Strawberry Fields, a house near a boys’ reformatory where I used to go to garden parties as a kid with my friends Nigel and Pete. We always had fun at Strawberry Fields. So that’s where I got the name. But I used it as an image. Strawberry Fields Forever. 'Living is easy with eyes closed. Misunderstanding all you see.’ It still goes, doesn’t it? Aren’t I saying exactly the same thing now? The awareness apparently trying to be expressed is– let’s say in one way I was always hip. I was hip in kindergarten. I was different from the others. I was different all my life. The second verse goes, 'No one I think is in my tree.’ Well, I was too shy and self-doubting. Nobody seems to be as hip as me is what I was saying. Therefore, I must be crazy or a genius– 'I mean it must be high or low,’ the next line. There was something wrong with me, I thought, because I seemed to see things other people didn’t see. I thought I was crazy or an egomaniac for claiming to see things other people didn’t see. I always was so psychic or intuitive or poetic or whatever you want to call it, that I was always seeing things in a hallucinatory way. Surrealism had a great effect on me, because then I realized that the imagery in my mind wasn’t insanity; that if it was insane, I belong in an exclusive club that sees the world in those terms. Surrealism to me is reality. Psychic vision to me is reality. Even as a child. When I looked at myself in the mirror or when I was 12, 13, I used to literally trance out into alpha. I didn’t know what it was called then. I found out years later there is a name for those conditions. But I would find myself seeing hallucinatory images of my face changing and becoming cosmic and complete. It caused me to always be a rebel. This thing gave me a chip on the shoulder; but, on the other hand, I wanted to be loved and accepted. Part of me would like to be accepted by all facets of society and not be this loudmouthed lunatic musician. But I cannot be what I am not.
 
「ストロベリー・フィールズ」は実在の場所だ。僕はペニー・レーンに住むのをやめて校外にいたおばさんとそこに移り住んだ…ビートルズ物語にありがちな安いっぽい情景じゃなくてさ。その近所に「ストロベリー・フィールズ」はあったんだ。孤児院でね。子供の頃、友達のナイジェルとピートと一緒にそこの庭で遊んだものさ。楽しかったよ。だから「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」でその名前を使ったんだ。あくまでもイメージとしてだけどね。「目を閉じれば生きるのは簡単/目に映るのは間違ったことだらけ」真理だと思わないかい?今でも全く同じことが言えるよ。この曲で言いたかったのは…僕は変わり者だってことだ。他の人達とは違ってた。2番の歌詞「僕の木には誰もいないと思う」は…僕は意気地なしで自信も無い。こんな僕のような人間は他に誰もいやしないっていうことなんだ。とにかく僕は狂人か天才だから…それが次の1行「それが高かろうが低かろうが」だね。僕はちょっとおかしかったんだと思う。だって他の人には見えないものが見えてるみたいだったから。連中が「見えない」と言うものが「僕には見える」んだってことに異常に固執してた。僕はいつも物事を非現実的なものとして捉えていたんだ。精神的に、直感的に、詩的に…それをどう呼んでくれてもかまわないんだけど。シュルレアリスムには大いに影響されたよ。そして僕はの自分の中のイメージは狂気じゃないんだってわかった。 もしそれが狂気なら僕はその言葉で世界を見る独占的な団体に所属しているということになる。 僕にとってシュールレアリスムは現実。 幻想は現実。 たとえ子供であってもね。 僕が鏡で自分自身を見る時、もしくは12,13歳のとき、僕は文字通りアルファにこだわった。 当時はそれが何なのか知らなかったけど、何年も後にそういう呼び方あることを知ったんだ。僕は自分の幻覚的なイメージが変化して宇宙と一体になるのを見るだろう。 それは僕を反逆者にしてきたし、僕に何かを与えてきた。 その一方で僕は愛され、受け入れられたかった。 僕の中には社会のあらゆる面で受け入れられたいと思っている自分もいる。ただのやかましくて狂った音楽家じゃない。 でも僕はそんな自分も否定できないんだ。

George Martin (1982)
「ストロベリー・フィールズ」はジョン・レノンの非常にシンブルな曲がベースになっていて彼のイメージに満ちています。彼の詩は…なんていうか、飾った言い回しをするんです。言葉の遊びで内面的なイメージを呼び起こすのが好きで得意でした。
ある日ジョンがやって来て「前に作ったものは気に入らない。作り直したい」って言うんです。私は編曲を頼まれました。数日後にまたジョンが来て「新しいのもいいけど前のも結構気に入っている。だからふたつを合わせよう。前半と後半をつなげたらどうか?」ってね。しかしそれには障害がありました。ふたつの曲はキーも別だったし、テンポも違ったんです。でも彼に頼まれてしまってね(笑)。テンポを合わせてひとつにまとめました。それが発売されたんです。

My Recording Data

Environment

HostApple iMac MC509J/A
ApplicationApple Logic Pro 10.3.1
Audio I/FNative Instruments KOMPLETE AUDIO 6
 

Tr.1 :: Drums

  • KONTAKT 5 – Abbey Road 60s Drummer – Late 60 Kit
  • Channel EQ > Compressor > Space D > Limiter
  • オーケストラパート以降リバーブをやや上げ

 

Tr.2 :: Bass

  • Rickenbacker 4001 C64 (front, tone=2, A=450)
  • Guitar Rig > Compressor

 

Tr.3 :: E.Guitar 1

  • Epiphone Elitist CASINO (mix – full, A=425, capo 1F)
  • Amp > Channel EQ > Compressor
  • アルペジオ風のバッキング

 

Tr.4 :: E.Guitar 2

  • Gibson LesPaul Traditional (mix – full, A=425, capo 1F)
  • Amp > Channel EQ > Compressor
  • 下降フレーズのアクセント

 

Tr.5 :: Mellotron 1

  • KONTAKT 5 – Mellotoron Flute (tune = +40cent)
  • Channel EQ

 

Tr.6 :: Mellotron 2

  • KONTAKT 5 – Mellotoron Guitar (tune = +40cent)
  • Amp > Channel EQ > Compressor
  • ピッチダウンとモールス信号みたいな音

 

Tr.7 :: E.Piano

  • E.Piano – Wurlitzer Soft (tune = +40cent)
  • Channel EQ > Compressor

 

Tr.8 :: Maracas

  • Channel EQ > Compressor > Enveloper > Space D

 

Tr.9 :: Drums 2

  • KONTAKT 5 – Abbey Road 60s Drummer – Late 60 Kit
  • Channel EQ > Compressor > Limiter
  • スネアとタムのオーバーダブ(管弦楽パート)

 

Tr.10 :: Drums 3

  • KONTAKT 5 – Abbey Road 60s Drummer – Late 60 Kit
  • Channel EQ > Compressor > Space D > Limiter
  • スネアとタムのオーバーダブ(アウトロ)

 

Tr.11 :: Cello

  • KONTAKT 5 – Cello Solo (tune = -25cent)
  • Channel EQ > Exciter > Compressor

 

Tr.12 :: Double Bass

  • KONTAKT 5 – Double Bass Solo (tune = -25cent)
  • Channel EQ > Exciter > Compressor

 

Tr.13 :: Trumpet

  • KONTAKT 5 – Trumpet Ensemble (tune = -25cent)
  • Channel EQ > Compressor

 

Tr.14 :: Tambourine

  • Tambourine (Headless)
  • Channel EQ > Space D > Limiter

 

Tr.15 :: Percussion

  • exs24 – Percussion Kit
  • Compressor

 

Tr.16 :: Reverse Cymbal

  • KONTAKT 5 – Abbey Road 60s Drummer – Late 60 Kit
  • Channel EQ
  • シンバル単音をオーディオリージョンに書き出して逆再生

 

Tr.17 :: Swarmandel

  • Eastwest Fab Four – Swarmandel
  • Compressor > Chorus > Space D
  • Fab Fourはセント単位の調整ができないのでバウンスしてからLogic側でデチューン。

 

Tr.18 :: E.Guitar 3

  • Epiphone Elitist CASINO (rear – full, A=434, capo 1F)
  • Amp > Channel EQ > Compressor
  • アウトロへのブリッジと再フェードイン時の拍打ち

 

Tr.19 :: Piano

  • exs24 – Steinway Grand Piano (tune = -25cent)
  • Channel EQ > Exciter > Space D

 

Tr.20 :: Mellotron 3

  • KONTAKT 5 – Mellotoron Flute (tune = -25cent)
  • Ensemble > Channel EQ

 


History

2017.03.22: version 2.1
2012.10.17: version 2.0
2008.11.06: version 1.1
2003.05.24: version 1.0

Diary


 


Sources