巣立ちの歌

よもやま話

 

僕が通ってた狭山市立南小学校は私学へ進む人以外は全員同じ中学に通うことになっていたから「卒業式」とはいうものの別れでもなんでもなかった。
でもこの「小学校の卒業式」ってのは全員が壇上で卒業証書を受け取ったりひとりひとり何かしら喋る呼びかけがあったりと、中学・高校・大学の卒業式とは比べ物にならないほど長時間かつ内容の濃い式典。感極まって泣いてしまう子も結構いたもんだ(たいていが感受性豊かな女の子)。

卒業式には4年生から参加することになっていて、本番前の練習も含めて相当回数その場に臨んでいた。
式で卒業生が歌ったのは「巣立ちの歌」。
いい歌だな、と思いながら6年生の合唱を聴いていた。

5年生の時もこの曲だった。
きっと毎年これなんだ。
来年は僕らがこれ歌うんだ。

そして翌1982(昭和57)年の3月。

式典の最後だったと思う。
学年でいちばんピアノの上手な子(長身・長髪でメガネを掛けていた女の子・名前忘れた)の伴奏で2部合唱。
何度何度も繰り返し聴き歌った曲なので40年近く経った今でも歌詞は鮮明に覚えてる。

なんか久しぶりに聴きたくなった。
そんな時はYouTube。

伴奏のお手本やらどこぞの小学校の卒業式で子どもたちが歌っている動画やらが多数あがっているのだが、僕らが歌ったものと伴奏が違う。
そんな中で1本だけ「これだ!」という動画が。

当時は楽器演奏とは無縁でピアノなんて全く弾けなかったしそもそも興味すらなかったけど、卒業式の練習でさんざん聴いてきた伴奏なのでまだかすかに耳に残っている。
1本だけ見つけた動画と、当時のおぼろげな記憶を頼りに自分で譜面を起こして弾いてみた。

あれから37年経った今日、息子が小学校を卒業した。
おめでとう。