I Me Mine – The Beatles

LET IT BE,The Beatles

composed by George Harrison ©1970 Harrisongs Ltd.
 

1日じゅう
僕は 僕に 僕の
僕は 僕に 僕の…
ひと晩中
僕は 僕に 僕の
僕は 僕に 僕の…
手放すことができず
習性になってしまって
日ごとに威圧的になっていく
1日じゅう
僕は 僕に 僕の…

 
ビートルズが1970年にリリースしたアルバムLET IT BEの4曲目。ジョージ・ハリスンの作品。

映画LET IT BEの撮影中にリハーサルが行われたが正式な録音はされず、アルバムに収録される予定はなかった。
ところがこのリハーサルに合わせてジョン・レノンがオノ・ヨーコとワルツを踊っているシーンが劇中で使用されることになった。アルバムは映画との整合性をとることが前提だったためにこの曲の正式版が必要になり、急遽追加のレコーディングセッションが行われた。

映画の撮影が終わって1年近く経った1970年1月3日のアビーロードスタジオ。
公にはされていなかったがこの時ジョンは既にグループを脱退し新たに立ち上げたプラスティック・オノ・バンドに専心してたためにセッションには参加せず、残りの3人でベーシックトラックを録音。

この時点での曲の長さは1分34秒と非常に短いものだったが、後日プロデューサーのフィル・スペクターが後半部分をリピートして演奏時間を1分近く延ばし、さらに後日にリンゴのドラムとフィルが得意とするオーケストラ・パートを追加録音して完成させた。そしてこれがビートルズ名義で行われた最後のレコーディングとなった。

ジョージは1966年頃から曲作りに本腰を入れるようになったが、自分の曲がレコードに採用されることが少ないことに不満をもっていた。
ポール・マッカートニーが1988年前後のインタビューで、「酷な言い方かもしれないが、当時は僕ら(ジョンと自分)が唄うのが当然だと思っていた。ジョージやリンゴの曲を僕らの曲と同様に重視し始めたのは活動の後のほうになってからだった」と語っていたように、バンド内には「レノン=マッカートニーとその他2人」という明確な格差があった。
とりわけポールはジョージを過小評価しジョージのギター演奏に対して時折難癖をつけた。「ヘイ・ジュード」のレコーディングでは「ギターを弾くな」とまで言い放った。

ジョージを見下していた、という点ではジョンにも共通する部分はあった。
「レノン=マッカートニー」としてフロントに立ってバンドを引っ張ってきたという自負のある2人は「バンド内のポジション」という点においてジョージとリンゴを軽んじていた。

「彼らは良くも悪くも『レノン=マッカートニーであること』に夢中だった。他にいる人間のことは見えていなかったんだ」(ジョージ)

前述のようなジョージとポールとの確執から、この曲は自己主張が激しく押し付けがましいポールに対する揶揄と見る向きは多い。
しかしジョージ自身は「人間であれば誰もが持っているエゴイズムをテーマにした」「Bhagavad Gītā(インドの宗教書)の一節をヒントにした」と語っていた。


George Harrison (1980)
'I Me Mine’ is the ego problem. I looked around and everything I could see was relative to my ego. You know, like 'that’s my piece of paper,’ and 'that’s my flannel,’ or 'give it to me,’ or 'I am.’ It drove me crackers– I hated everything about my ego– it was a flash of everything false and impermanent which I disliked. But later I learned from it– to realize that there is somebody else in here apart from old blabbermouth. 'Who am I’ became the order of the day. Anyway, that’s what came out of it: 'I Me Mine’ …it’s about the ego, the eternal problem.
 
「アイ・ミー・マイン」のテーマは「エゴ」だ。僕の周り目に見えるものはエゴが渦巻いてた。「それは僕の紙切れ」「それは僕のフランネル」「それをよこせよ」「僕は…」とかさ。頭がおかしくなりそうだった。自分のエゴにまつわることを嫌悪してた。全部が失敗で、僕が嫌いな刹那的なものばかりさ。でもだんだんわかってきたんだ。ここには古い雄弁家ではない他の誰かがいる。「僕は一体誰なんだ」っていう問いが日々の命題になった。とにかく「アイ・ミー・マイン」はそういうエゴにまつわる曲さ。人間の永遠の課題だね。

My Recording Data

Environment

HostApple iMac MC509J/A
ApplicationApple Logic Pro 10.0.7
Audio I/FRoland UA-55
 

Tr.1 :: Drums

  • KONTAKT 5 – ABBEY ROAD 60S DRUMMER
  • Channel EQ > Space D > Limiter

 

Tr.2 :: Bass

  • Rickenbacker 4001 C64 (front + rear)
  • Guitar Rig > Multipressor > Channel EQ > Limiter

 

Tr.3 :: A.Guitar 1

  • YAMAHA FG-520 TBS
  • Channel EQ > ADT
  • コードストローク。ミックスバランスは小さめ。

 

Tr.4 :: A.Guitar 2

  • YAMAHA FG-520 TBS
  • Channel EQ > Limiter
  • オブリガート

 

Tr.5 :: A.Guitar 3

  • YAMAHA FG-520 TBS
  • Channel EQ > Limiter
  • オブリガートのユニゾン。最後だけオクターブ下。

 

Tr.6 :: E.Guitar 1

  • FGN NCST-10R (rear)
  • Guitar Rig > Channel EQ > Compressor
  • メイントラック

 

Tr.7 :: E.Guitar 2

  • FGN NCST-10R (rear)
  • Guitar Rig > Channel EQ > Compressor
  • ミドルエイトのブギー

 

Tr.8 :: E.Guitar 3

  • FGN NCST-10R (rear)
  • Guitar Rig > Channel EQ > Compressor
  • イントロのセカンドギターとミドルエイトのアクセント

 

Tr.9 :: Organ

  • Vintage B3 (Logic)
  • Channel EQ > Limiter

 

Tr.10 :: E.Piano

  • Vintage Electric Piano (Logic)
  • Channel EQ > Exciter > Space D

 

Tr.11 :: Strings

  • KONTAKT 5 – String Ensemble
  • Channel EQ

 

Tr.12 :: Brass 1

  • KONTAKT 5 – French Horn Ensemble

 

Tr.13 :: Brass 2

  • KONTAKT 5 – Brass Ensemble

 

Tr.14 :: Chorus

  • KONTAKT 5 – Chorus [a]
  • Channel EQ > Exciter > Limiter

 


History

2014.10.04: version 2.0
2004.03.27: version 1.0

Diary


 


Sources